フォーラム「大井川鉄道全線復旧と地域活性化」を開催しました。

先日、「大井川鉄道全線復旧と地域活性化」をテーマとしたフォーラムを開催いたしました。多くの地域の皆様、関係者の皆様にご参加いただき、改めて本地域における鉄道の重要性と、復旧に向けた強い思いを共有する貴重な機会となりました。

冒頭の挨拶で触れられたのは、大井川鉄道は台風災害により長期間運休を余儀なくされ、すでに4年が経過している点です。この間、地域では様々な意見や取り組みが積み重ねられてきましたが、今回のフォーラムでは「復旧後を見据えて、今何をすべきか」という視点で議論が行われました。

基調講演では、静岡大の土居英二名誉教授より経済学の視点から大井川鉄道の役割が語られ、「鉄道は地域の動脈である」という印象的な言葉がありました。鉄道の停止は単なる交通手段の喪失ではなく、人の流れ、すなわち地域経済そのものの停滞を意味します。実際に利用者数や観光客数の減少データからも、その影響の大きさが示されました。

続いて、大井川鉄道の柴田副社長からは、復旧工事がすでに実行段階に入っていること、そして経営の厳しい現状について率直な説明がありました。鉄道事業はインフラ維持に多大なコストがかかる構造であり、コロナ禍や災害の影響も重なり、非常に厳しい状況にあります。株主「エクリプス日高」によるおよそ20億円もの大規模な支援によって何とか支えられている現実も共有され、「復旧しても、乗ってもらえなければ存続できない」という言葉は、多くの参加者に強い印象を残しました。

行政からは、復旧決定に至るまでの経緯や、今後のまちづくりの方向性について説明がありました。復旧は単に線路を直すことではなく、災害の原因対策や地域全体での連携が不可欠であること、そして復旧後に向けた準備をすでに進めていることが強調されました。また観光の視点では、地域資源の磨き上げや滞在型観光の推進、情報発信の重要性が示されました。

私たち支援する会からは、これまでの活動として、署名活動(最終的に約4万5千筆)、駅周辺の清掃、講演会の開催、マルシェなどの地域イベントの実施について報告いたしました。これらの活動は、地域の皆様の思いを形にし、復旧合意を後押しする一助となったものと考えております。

意見交換では、地元の川根高校の生徒が「部活動の時間とダイヤが合わずに苦労している」「運賃が高い」といった高校生の視点から意見を述べたほか、商工会長からも「エクリプス日高が株主として多大な支援を行っていたのは知らなかった。認識を改めた」との声が上がりました。このほか、「復旧状況が見えにくい」という声や、「乗る理由をつくることが重要」といった具体的な提案がありました。特に、日常の中で自然に鉄道を利用する仕組みづくりや、地域資源と組み合わせた体験の重要性については、多くの共感が得られました。また、鉄道が止まることで人の流れが途絶え、地域が静かになってしまうという実体験も共有され、鉄道の持つ影響力の大きさを改めて実感する場となりました。

今回のフォーラムを通じて明確になったのは、「復旧はゴールではなくスタートである」ということです。大井川鉄道を未来につなげていくためには、行政、事業者、住民がそれぞれの立場で役割を果たし、連携して取り組んでいく必要があります。

私たち支援する会としても、これからが本当の意味でのスタートだと考えています。地域の皆様とともに、鉄道と地域が一体となった活性化に向けて、引き続き取り組んでまいります。

今後ともご理解とご協力をよろしくお願いいたします。

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